中島美嘉「REAL」TRACK NOTES
01. 初恋

美しいストリングスとピアノとそして何より中島美嘉の憂いに満ちた"声"が紡ぎ出す冬の王道バラード。「寂しくないですか?」「凍えてないですか?」という問いかけが聴く者の心を瞬時に捉え、まるでこの歌の物語の中に誘われるかのよう。"人を好きになって初めてうれしいと感じること""誰かを想って初めて苦しいと感じること"恋にまつわるいろんな想い込め「初恋」と題された。映画「今日、恋をはじめます」テーマソング。

02. Dear

「どうして私がこんな想いをするの―」人が哀しみに直面した時、誰しもが陥る境地から、それでも自分を愛してくれた人への想いを灯し続ける激泣バラード。哀しげなアコースティックギターの旋律が涙を誘い、張り裂けるような中島の声に心が震える本作は、2010年に突然の活動休止を経て初めてリリースされた作品。
サビの印象的なフレーズ「ごめんね、ありがとう。」これほどファンの期待に応えようと走り続けた中島の心情を表した楽曲はないかもしれない。
日本アカデミー賞最優秀作品「八日目の蝉」主題歌。

03. 明日世界が終わるなら

中島美嘉と絶妙なマッチングを奏でるクリエイター杉山勝彦(「一番綺麗な私を」「Dear」)による壮大なバラード。タイトルが示すまさに絶望的な設定の中で、本当に大切なのは「愛」以外何物でもないと訴えるボーカリゼーションが秀逸。
イントロから聞こえる繊細なピアノで日々の雑音を洗い流したら、そのあとに続く重厚なトラックに是非身をゆだねて聴いてほしい。ミュージックビデオでは初めて披露したウェディング姿が話題に。映画「バイオハザードX:リトリビューション」日本版主題歌

04. PASSION

バラードで定評のある中島美嘉が持つもう一つの魅力が光るロックファンクナンバー。
シンプルに構成されたトラックの中で、幾重に重ねられたコーラスの掛け合いが響き、ホーンセクションが華々しく放たれる。「つらいのはあんただけじゃない。」といった中島の力強いリリックが日常に疲弊した気持を鼓舞してくれる。
次のツアー会場でいち早く体感したいナンバーに仕上がった。

05. You Knocked Me Out

骨太なギターとベースとドラムに支えられた直球ロックチューン。
完全に一目ぼれ、ノックアウトされた女子の心情を赤裸々にキュートに歌いあげる。
「この曲を映像にするなら?」というスタッフの問いに、「アメリカのROOT66沿いにあるようなスモーキーなBARで飲んでたら、超好みの男の子が入ってきて、超意識しちゃう感じ。笑」と即答。女子会で是非聴いてほしい楽曲。

06. LOVE IS ECSTASY

一度聴いたら"本当に"口ずさんでしまうサビ「La La La」から始まる極太ロックサウンド。日本のメジャーロックシーンを牽引するプロデューサー根岸孝旨(CHARA,阿部真央)によって構築されたサビと同じギターリフが中毒性を持つ。
「愛は恍惚」「愛されたい」と人間の心の欲望を吐露し、遂にはシャウトする中島美嘉を見事に導いている。
大人気シリーズ篠原涼子主演映画「アンフェア the answer」主題歌として話題となった。

07. BE REAL

アルバムの標題曲として制作された、80年代ニューウェイブフレーバーを纏ったアップナンバー。今回のアルバム全13曲中、中島が作詞を手掛けたのは9曲。「これまでの作詞方法に比べると、今回は自分のリアルを割と反映させてるかもしれない。」と中島談。"見た目で誤解されても、分かってくれる人が一人でもいればいい。ありのままひたむきに生きていれば必ずご褒美があるから。"という強いメッセージを強力にバックアップしたNaoki- T(ケツメイシ・miwa)によるサウンドも魅力。懐かしさの中に新しさを堪能出来るダンサブルな仕上がり。

08. SUPER WOMAN

まるで敵地に乗り込んだ女戦士が"戦い"を楽しんでいるかのような中島の作詞に注目。その物語を演出したTomokazu Matsuzawaによるバーレスク感溢れるトラックも冴えわたる。草食系男子など男性の脆弱化が多く語られる昨今、女性の強さをより浮き彫りにした意欲的な作品。

09. SUPREME

「ライブで披露する時、振付が映えるミュージカルのような楽曲にしたい。」という中島の意図の元制作されたコミカルなアップナンバー。とはいえサビではしっかりとそのポップ性を裏切らないのが魅力。街を歩くいちゃつくカップルをみて中島らしく(?)ちょっと冷めた目で分析しつつも、「しっかり話し合って、しっかり愛し合ってね。」という恋人達への応援歌にも聴こえてくる。Naoki-Tによるストーリー性溢れるトラックにも注目。

10. ピアス

どうしても成就しない恋愛を描いたミドルナンバー。
心の悲鳴を映す1本のバイオリンが切なく響き、輝き続ける"ピアス"とは裏腹に、思い出や気持ちが色焦る喪失感を演出した新進気鋭のクリエイターRyosuke"Dr.R"Sakaiによるトラックも聴きごたえ充分。「ただ、恋をしていただけなのに。」まるでロミオとジュリエットが現代に蘇ったような感覚に陥いる作品。

11. 記憶

中島が出演する、CASIO「SHEEN」のCMのために書き下ろされたミディアムスローナンバー。
もともとデモについていた詞とメロディーの響きが美しかったので、それに中島が追記する形で本作を完成させた。キラキラした恋人達の思い出を切なく振り返るロマンティックなナンバー。
2012年12月よりオンエアスタート。

12. エピローグ

"慣れ過ぎてしまったのかも 良くも悪くも・・・。"
大人の恋の終焉を描いた中島が得意とする三拍子バラード。ギター、ピアノ、ベース、そしてバリトンを含む管楽器の音色が楽曲の魅力を最大限に引出している。デビュー以来、ライブやアレンジで中島を支えてきた河野伸により実現。心地よい上質なサウンドの中で中島の声がシルキーに響く。一人残された部屋の映像が目に浮かぶnamiの歌詞にも注目。

13. LETTER

「今の中島美嘉の気持ちを、手紙にしてファンに届けてみないか?」
そんなプロデューサーの一言から制作が始まった本作は、敢えて"エピローグ"の後に収録され、そのタイトルの意味を助長する。去年のツアー以降、充電期間として単身N.Yに渡った中島。歌うことに改めて向き合うことを決意し、待っていてくれたファンへの想いを何の飾りもなく綴った作品。
多くを語らずとも分かっているよと、寄り添うように奏でられる河野伸のピアノに心が震え、野村陽一郎(二千花など)によるギターが明りをともす。「REAL」と名付けれた本アルバムの最後を飾るに相応しい作品となった。